【自宅】きものシミ抜き【失敗】
画像は色無地のかけ衿、ご自宅で水処理しスレが生じたものです。
ご自宅のシミ抜きで水処理は失敗の確率が高いです。
多くの人は「優しくやれば、大丈夫!」と思いがちですが、思わぬ落とし穴があります。
専門家の立場から、失敗につながらないようにシェアします。
よくある失敗
・輪ジミ
・スレ
輪ジミの原因
トントン叩くとシミが拡がりだし、小さなシミが大きく輪になります。
・地糊(じのり)の残留
・洗剤やシミ自体の広がりによるもの
しごき糊とも言われ、染色の際に用いる地糊が生地に残留していている場合、輪ジミができやすい。
輪ジミは再シミ抜きの後、ゆっくり時間をかけて乾燥させると修正できます。
スレの原因
・大量の汗を含んだ状態での生地の摩擦
・水を含んだおしぼりなどで、シミを拭き取る事での摩擦
水分の含んだ状態で摩擦がかかると、色が剥げたのではなく、毛羽立って白く見えます。
一度毛羽立ってスレたものは元には戻りませんが目立たなくする方法はあります。
シミ抜きの際の摩擦で、プロでもスレを起こすことがあります。
ベンジンなど揮発性溶剤でのシミ抜きはスレがおきにくいです。
ただし、逆汚染した着物をベンジンでふき取ると輪ジミができる事もあります。
ご家庭での水を使ってのシミ抜きは危険、ベンジンで落とせる程度の油溶性のみにしましょう。
トントンと優しく水で叩いただけでも、スレが生じます。
気を付けましょう。